こんにちは、現在QAエンジニアをしている白々さじきです。
今回、私は「ソフトウェアテスト自動化カンファレンス2024」に参加してきました。全体をまとめた記事はすでに作成しましたが、個別セッションについても詳しく共有したいと思い、この記事を作成しています。
このセッションに参加しようと思ったきっかけは、自社で過去にテスト自動化を導入しようとしたものの、現在はそれがうまく機能していないことを知り、再挑戦のヒントを得たいと考えたからです。
今回参加したセッションのタイトルは、「テスト自動化失敗から再挑戦しチームにオーナーシップを委譲した話」です。このセッションでは、失敗から得た教訓をもとに、再挑戦のプロセスやチーム全体での取り組み方が話されました。以下に、セッションの内容をまとめます。
ソフトウェアテスト自動化カンファレンス2024 (2024/12/07 12:50〜)
# オンライン開催 今回の「ソフトウェアテスト自動化カンファレンス2024」はオンライン開催になります。 コミュニケーションの手段として下記のツールを利用します。どちらも無料でご利用いただけます。 * Discord(スケジュール、講演中のコメント、Ask the Speaker) * Zoom(講演のストリーム配信)...
このセッション概要
1人で進めたテスト自動化の試み
- E2Eレベルのブラウザベースでリグレッションテストを対象に、自動化を開始。
- ノーコードツールを活用して自動化を試みるが、実行回数制限やコードの必要性が判明。
- 最終的に、Cypressに移行し、テストシナリオを作り直して新たなテストを追加。
テスト自動化で直面した問題
- 偽陽性の頻発
- 日々のテスト失敗通知の確認が大変。
- 修正作業が増え、機能開発に追われる。
- 一人での運用の限界
- 作業量が膨大で、休む暇がなくなる。
- 新規機能開発への対応
- テストシナリオの追加・修正に追われ、効率的な対応が困難。
再挑戦のきっかけとアプローチ
プロダクトのフロントエンドのリライトが決定したことで、大幅なテストコード修正が必要になり、1からやり直すチャンスが訪れました。過去の失敗を踏まえ、今回は計画性を持ち、チーム全体で取り組む方針に変更しました。
主な課題とその解決策
- 偽陽性の改善
- ツール選定を部門で行う:広く意見を募集し、ツールの比較検討をしっかり行う。
- テストボリュームの最適化:重要な機能やケースに絞り込み。
- オーナーシップ移譲
- 運用イメージの共有:事前に最終運用イメージを開発チーム全体で共有し、QAの退場後もスムーズに運用できる体制を整備。
- 作業時間の確保
- ナレッジの共有:コーディングガイドラインの作成により、自動テストをチームの「自分事」に。
- QAの役割を「レビュー」と「テスト修正のサポート」に集約。
Flakyテスト対策
- シナリオに優先度を設定し、P1(絶対に落ちてはいけないテスト)以外はリリースのブロックをしない運用に変更。
- テスト失敗通知への関心を維持しつつ、チームの消耗を防ぐ体制を構築。
まとめ
セッションでは、以下の重要なポイントが示されました:
- 計画性を持ち、チーム全体で取り組むことで、運用の負担を軽減する。
- 「顧客価値」に直結するプロダクトのコアとなるシナリオを定義し、その部分のみを優先的に自動化する。
感想
これらのアプローチは、自社での再挑戦にも活かせると強く感じました。今後、今回のセッションで学んだ知見を元に、自社のテスト自動化を見直す方針を考えようと思います!
資料
このセッションのスライドは下記にあります!
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